日本は今、少子高齢化の時代 に突入し、労働人口が著しく減少しています。
そんな中、サービス残業問題、不払い賃金問題を含めた長時間労働の問題がクローズアップされています。
平成22年4月1日には、長時間労働を抑制し、労働者の健康を確保するとともに、仕事とプライベート生活とのバラン スの取れた社会を実現することを目的とした労働基準法の改正が行われます。
このたび、社会保 険労務士の先生と「労働基準法改正ポイント詳解、サービス残業を考える」と題し、緊急対談を実施しました。
小難しい法律問題を分かりやすく丁寧に解説していただきましたので、この機会に会社経営陣、従業員共に労働問題につ いて学んでいきましょう。
それでは早速、対 談をご覧ください。
まず一番の問題点を挙げると、少子高齢化が問題視されています。
昨今の不景気に加え、労働人口の減少により、仕事が忙しくなり、家庭との両立が難しくなってきています。最近の言葉で言う「ワークライフバランス」がうまく整っていないのが問題ですね。
労働時間が長いことで、心身共にバランスを崩してしまい、会社以外での生活がうまくできない人が増えてしまっています。
もう一つの問題はやはり、過重労働の問題が挙げられます。
過労の問題が大きく取り上げられたのが、電通事件(2000年結審)であり、社員が過重労働の末、うつ病を発生し、 自殺に至ってしまったことに対し、企業に損害賠償責任を認める判決が初めて出された事例ですね。
その事件が発端となり、会社も従業員の健康面を気遣い、残業を減らして、心的負担、体力的負担を軽減してあげる措置 を取らなければならないという流れになっています。
そういった問題から、現在に至るまで、残業の問題が大きく取りクローズアップされています。
一番問題視されていることは・・・。そうですね。非常に難しい問題ではありますが、そもそも賃金の支払については、労働基準法第24条に定められています。
その条文には、従業員が働いた分は企業側が全額支払わなければいけない。と記述されているのですね。
ですから、賃金に対して不払いが発生した場合、その法律に抵触してしまいます。
そこがまず1番の問題であると考えています。
そうですね。
実は時間外労働の 定義について会社の代表者も知らないことがあります。
裁量労働制にすれ ば、残業代も全て込みこみで、残業代も全部含めて払っていると
勘違いされている方が現状まだいらっしゃいます。
そういうこと事態が問題なのですね。
中には、従業員の 方のほうが労働契約について調べていて知識があるということもあります。
この経営者が労働 時間についてよく理解していないということ自体、そもそも問題なのです。
「時間外労働の限度に関する基準」が改正され、労使当事者は限度時間を 超える時間外労働に対する割増賃金率を引上げる努力をするように表記されています。
月60時間を超える法定時間外労働に対して、使用者は50%以上の率で
計算した割増賃金を支払わなければなりません。
引上げ分の割増賃金の代わりに有給の休暇を付与する制度(代替休暇)を 設けることができます。
労使協定により年次有給休暇を時間単位で付与することができるようになります。