労働基準監督署には労働者やその家族の方から、多数の長時間労働や賃金不払残業に関する相談が寄せられます。
労働基準監督署では、これらの申告に基づく監督や定期監督を行い、労働基準法違反に対しては是正を指導しています。
厚生労働省はこの是正指導によって実際支払われた割増賃金額を毎年発表しています。

この結果を業種別に簡単にまとめるとこのようになります。
○1企業あたり100万円以上の割増賃金が支払われた企業数
1位 製造業(381企業)
2位 商業(364企業)
支払われた人数
1位 運輸交通業(420,930人)
2位 商業(31,700人)
○1企業あたり1000万円以上の割増賃金が支払われた企業数
1位 商業(63企業)
2位 製造業(36企業)
支払われた人数
1位 運輸交通業(40,858人)
2位 金融・広告業(23,872人)
★1企業での最高支払い額 道路貨物運送業 14億7,482万円
(2位 銀行・信託業 11億8,405万円)
賃金不払残業(サービス残業)の解消にむけて、厚生労働省では、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」(平成13年4月)を作りました。この基準には次のような項目で具体的な措置が示されています。
(1) 始業・終業時刻の確認と記録
(2) 始業・終業時刻の確認と記録の原則的な方法
(3) 自己申告制により始業・終業時刻の確認と記録を行う場合の措置
(4) 労働時間の記録に関する書類の保存
(5) 労働時間を管理する者の職務
(6) 労働時間短縮推進委員会などの活用
ここには、使用者には労働者の労働時間を適正に把握する責務があること、そして、そのために、使用者がどうするべきなのか、講ずべき措置が具体的に示され、この基準を元に監督・指導されています。又、その解消には事業場における賃金不払残業の実態を知るべき労使の具体的な取組みが必要であるとして、その取組みを強く促し指導しています。
サービス残業は労働基準法違反であり、罰則規定も有ります。このような取組みによってこれだけの成果が出ています。訴えを起こすことは無駄な事では無くなっています。今、労働者にも、不正を申告する勇気が求められています。
「時間外労働の限度に関する基準」が改正され、労使当事者は限度時間を 超える時間外労働に対する割増賃金率を引上げる努力をするように表記されています。
月60時間を超える法定時間外労働に対して、使用者は50%以上の率で
計算した割増賃金を支払わなければなりません。
引上げ分の割増賃金の代わりに有給の休暇を付与する制度(代替休暇)を 設けることができます。
労使協定により年次有給休暇を時間単位で付与することができるようになります。