正社員・正職員の残業問題

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正社員・正職員の残業問題

「残業問題」としてまず頭に思いうかぶ「サービス残業」。「サービス残業」が周知に知れ渡りながらも、なくならないのはなぜでしょう。

時間外労働をしたのにもかかわらず、手当が支給されない。それが、労働基準法違反であるにも関わらず、泣き寝入りせざるを得ない、それが、正社員・正職員にみられる「サービス残業」の実態なのです。
正社員・正職員がサービス残業をしてしまうパターンは大きく分けて次の4つに集約されるでしょう。

残業申請を行わせない

「残業を控えるように」という内規を持たせることによって、社員の残業は「内規違反」であり、あくまで「自主的」な労働として処理されてしまうケースです。労働組合がある会社に意外と多いのです。近年の組合と会社側とのなれ合いの関係から、「サービス残業」は労働組合と会社の双方にとって責任問題となるので、隠ぺいしようという圧力も加わってしまうのです。

職場外での仕事

所謂、「仕事の持ち帰り」です。完了を求められている仕事があるにも関わらず、職場では、残業が出来ないために、自宅に持ち帰るケースです。就業時間外に働いているので、厳密には残業とは扱われません。これは、職場外労働中の事故に対する労災問題、情報漏洩問題もあり、近年では、少なくなりつつあるようです。

裁量労働制の違法利用

成果主義の名の下、正規の手続きもなく、独自の判断で、裁量労働制を導入してしまっている場合があります。成果と報酬の関係が不明確で、期待以上の成果を上げても給与があがらない、休日・深夜労働についての時間外手当も支給されないなど、会社側、労働者双方の解釈の曖昧さの為に、表立たない傾向が強いようです。

管理職への昇進

  管理職の中でも、管理監督者は、労働基準法の定める法定労働時間などの適用を受けません。つまり、時間外労働、深夜・休日労働をしても、残業手当はもらえません。それは、本来、管理監督者という立場が、会社の経営・人事に大きく携わっており、出退勤について管理されることがなく、一般の社員よりも賃金面で優遇されているからです。今、大きく問題となっているのは、管理監督者としての権限をもらえないまま、わずかな管理職手当と引き換えに残業手当がもらえない「名ばかり管理職(管理監督者)」が出てきているという事です。労働基準法を会社側が都合のいいように解釈し、導入しているのです。

一方で、労働者が「サービス残業だ」と思っていても、実際は残業には当たらない場合もあります。給与に固定の残業代が含まれている場合もありますし、法定外休日の労働、法定労働時間内の残業は、割増賃金は発生しません。これらについては、就業規則をよく確認する必要があります。

労働者側が各制度を正しく理解がすることも大切ですが、結局のところ、正社員・正職員は、終身雇用、安定した賃金、昇給・昇格を切り札に会社からの期待と信頼の下で、サービス残業と分かっていても、訴える事もできず、泣き寝入りしているのが現実でしょう。

最近、長時間労働やサービス残業に対する労働行政の監督・指導が強化され、是正勧告を受ける会社が増えています。日本の事業者は500万強あると言われており、その大半がサービス残業をさせていると考えられていますが、労働監督官の総数はわずかに3000人程度です。長時間労働やサービス残業によって起こる健康障害問題はとても深刻です。行政が動くのを待っていたら、一番大切な物を失ってしまうかもしれません。


労働基準法改正ポイント

時間外労働の限度に関する基準の見直しに関するポイント

「時間外労働の限度に関する基準」が改正され、労使当事者は限度時間を 超える時間外労働に対する割増賃金率を引上げる努力をするように表記されています。

法定割増賃金率の引上げに関するポイント

月60時間を超える法定時間外労働に対して、使用者は50%以上の率で 計算した割増賃金を支払わなければなりません。


法定割増賃金率の引上げ分の割増賃金の代替休暇に関するポイント

引上げ分の割増賃金の代わりに有給の休暇を付与する制度(代替休暇)を 設けることができます。

時間単位年休取得に関するポイント

労使協定により年次有給休暇を時間単位で付与することができるようになります。


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