派遣社員の労働条件

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派遣社員の労働条件

経費削減、人件費縮小の手段として派遣社員を取り入れる企業が増えています。正社員と違って、人件費が明確でしかも専門知識がある派遣社員は、企業にとって大きな戦力となることは間違いありません。
 労働者派遣とは、事業主(派遣元)が自ら雇用する労働者を自分の為に労働させるのではなく、他事業主(派遣先)に派遣し、派遣先の為に労働させるシステムです。
 派遣システムには指示命令関係(派遣先と派遣社員)と、雇用関係(派遣元と派遣社員)が異なる為、労働基準法には適さない部分があるため、「労働者派遣法(通称「派遣法))」が出来ています。


法的制限
労働者派遣法を正式には「労働者派遣事業の適正な運営の確保および派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」と言います。派遣法は、派遣先との間に労働契約のない派遣社員を守るために労働基準法を補う法律であり、その為に派遣先にも派遣元と同じように一定の責任を持たせるものです。
■契約期間
 期間は原則1年。延長は最長3年まで可能ですが、労働者の代表(労働組合など)の意見を聴衆する必要があります。又、期間を通して業務は同一とされます。派遣先での直接雇用を前提とした派遣(紹介予定派遣)形態もあります。
 又、法律で定める業務に関しては、契約期間の制限は有りません。
■業種の制限
 建設業務・警備業務・港湾業務・医療業務への派遣は禁止されています。(医療業務は、紹介予定派遣、出産・育児・介護休業の代替要員、僻地および社会福祉施設への派遣のみ可能)
■再派遣の禁止
 派遣社員を派遣先からさらに派遣すること(二重派遣)、グループ企業等特定派遣先のみへの派遣(専ら派遣)を厳しく禁じています。
■事前面接の禁止
 派遣を受け入れようとする事業主が「派遣社員を特定することを目的とする行為」(事前面接、履歴書提出)をする事は禁じられています。(紹介予定派遣は除く)
■不満・苦情
 派遣社員は労働上の不満や苦情がある場合、派遣元に申立てます。派遣元は苦情が有った旨を派遣先に通知し、その解決に向かって努力をしなければいけません。
■契約期間中の契約解約
 派遣先は正当な理由なく契約期間中に契約を解約することはできません。これは、労基法の解雇にあたる規定と同等に扱われます。
■雇用契約を超えての労働
 派遣先は派遣社員に対して業務上の指揮命令することができますが、派遣社員と派遣元の間で締結されている雇用契約の内容を超えて就業させることはできません。万が一、契約内容を超えるような就業をさせる場合は、派遣社員の同意を得たうえで、あらかじめ延長できる労働時間や就業できる日を決めて派遣契約書に記載する必要があります。

また、派遣社員の雇用契約は派遣元にあるので、基本的な就業条件の整備は派遣元が行わなければいけませんが、一部に関しては派遣先が配慮するように定められています。(給食施設(社員食堂)・ロッカー室・休憩室・診療所の利用など)

派遣労働法は、 1986年7月1日から施行され、その後、社会環境の変化に対応して、1999年と2003年に大幅な改正がありました。その中でも、2003年の改正では、派遣として働ける仕事の種類が原則的に自由化され、その他にも企業が派遣スタッフを簡単に使用できるような環境が整備されました。(派遣期間の制限の緩和など)

派遣労働法の制定・改定によって、企業が、正社員よりリスク、賃金を低く抑える事ができる派遣社員を利用しやすくなる一方で、正社員の雇用が抑えられる傾向にあります。これが労働者の労働条件・賃金が上がらず、生活が向上しない理由の一つとも考えられ、問題視する声もあります。


労働基準法改正ポイント

時間外労働の限度に関する基準の見直しに関するポイント

「時間外労働の限度に関する基準」が改正され、労使当事者は限度時間を 超える時間外労働に対する割増賃金率を引上げる努力をするように表記されています。

法定割増賃金率の引上げに関するポイント

月60時間を超える法定時間外労働に対して、使用者は50%以上の率で 計算した割増賃金を支払わなければなりません。


法定割増賃金率の引上げ分の割増賃金の代替休暇に関するポイント

引上げ分の割増賃金の代わりに有給の休暇を付与する制度(代替休暇)を 設けることができます。

時間単位年休取得に関するポイント

労使協定により年次有給休暇を時間単位で付与することができるようになります。


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