残業代は正しくもらっていますか?サービス残業はしていませんか?「サービス残業」は立派な労働基準法違反です。使用者には罰則規定があります。
会社任せではなく、自分で残業代を算出してみましょう。
労働時間とは、会社の指揮管理下において労働を提供している時間です。休憩時間は含みません。会社では、所定労働時間の定めがあり、それ以降の労働は「残業」です。使用者は残業をした労働者に対して残業代を支払わなければいけません。
残業には次の通りの決まりがあります。
■所定労働時間を超えた労働であっても、法定労働時間を超えていない部分については、使用者には割増賃金の支払い義務はありません。
■深夜労働を通して、翌日の始業時間を超えて労働した場合は、前日の労働時間は始業時間で打ち切りとなります。(深夜労働は翌5時までです。翌5時~始業時間は、通常の時間外労働扱いとなります)
■法定休日(4日/月、1日/週以上)以外の会社休日は「法定外休日」となり、その日に労働した場合は、法定休日労働ではなく時間外労働ですので、割増率は25%以上となります。
■労働時間は基本的に、歴日単位です。休日労働とは休日の0時~24時までを指します。ですから、休日労働が24時以降に及んだ場合は、その割増率は24時以降は60%ではなく、5時までは50%、5時以降始業までは25%となります。
実際に計算してみましょう。
割増賃金は時間給から算出されます。
日給制は日給を所定労働時間で割って時間給を算出しますが、月給制、年棒制の場合は少し、厄介な計算が必要になります。基本的には
と、算出されますが、※1カ月の所定労働時間の算出は次のようになりますので、注意しましょう。
たとえ年棒制であっても、残業代の支払いは必要です。
又、みなし労働制などの場合において、給与(営業手当)に固定残業代が含まれていても、その内訳を労働条件通知書などに明記が無い場合、残業代を含めた給与全額が割増賃金の算定の対象となります。
賃金に諸手当を含んだ上で時間給計算がされる事が原則ですが、次の手当については、除外出来ます。(名称ではなく実態で判断)
(1) 家族構成に応じて支払われる家族手当及び子女教育手当
(2) 通勤距離または実費によって支給額が決まる交通費
(3) 別居手当(単身赴任者のみが対象である事)
(4) 家賃、住宅ローンの額に応じて支給される住宅手当
(5) 支払い期間と計算期間が1か月超の手当(皆勤手当など)
残業代の計算においては、1日単位の残業代の端数切り捨て(15分未満切り捨てなど)は禁じられており、最終的な残業時間の集計時にその賃金計算期間中の合計値でのみ端数を切り捨てる事が認められています。ただし、この端数処理には、就業規則に定めている事が前提となります。
企業側も全ての残業に残業代を支払う事に抵抗を感じている事も事実です。全てにおいて残業代が支払われると、無意味な残業や休日出勤が増える事が懸念されるのからです。
少し意識を変えるだけで、残業を減らす事も出来ます。「もらう事」も大切ですが、「もらう必要をなくす」努力も必要になってきているのではないでしょうか?
「時間外労働の限度に関する基準」が改正され、労使当事者は限度時間を 超える時間外労働に対する割増賃金率を引上げる努力をするように表記されています。
月60時間を超える法定時間外労働に対して、使用者は50%以上の率で
計算した割増賃金を支払わなければなりません。
引上げ分の割増賃金の代わりに有給の休暇を付与する制度(代替休暇)を 設けることができます。
労使協定により年次有給休暇を時間単位で付与することができるようになります。