残業を請求するには証拠が必要です。ただ、「おれは、残業したんだ!」だけでは、当然支払われるはずがありません。残業代請求の時効は2年です。途中、退職しても、訴訟請求はできます。
残業代の請求に最も有効的かつ、効力を持つ物はタイムカードや出退勤簿など労働者の出退勤状況を把握できる物です。会社側がこれを見て、給与の支払いを行っていたと推測されますので、何よりの証拠となります。コピーを取って保管しておくのがよいでしょう。月がかわったり、退職してしまうと、手に入りにくくなりますので気をつけましょう。
しかし、証拠となるタイムカードが手に入るくらいなら、サービス残業なんていう言葉はこの世に存在しないでしょう。書類上は仕事をしていないようにしておいて、実は仕事をしている、それがサービス残業の実態です。タイムカードを定時で押させた後、残業させる、そもそもタイムカードなんて存在しない、そんな会社は珍しくありません。
では、泣き寝入りですか?それに代わるものを探してみましょう。
今はパソコンを使用した業務が多いですね。パソコンのログの記録は手に入りませんか?何時にログインして何時にログアウトしたかが分かれば、何時に出社して、いつまで会社にいたか、の手掛かりになるでしょう。ただし、社内のSEさんなどの助けが必要です。
始業時間と終業時間を記録した日記、特に業務日記が有効的です。日記まではいかないまでも、始業時間と終業時間を記載したメモでも結構です。メモは日記よりも効力が弱いので、業務内容や仕事の指示を出した上司の名前・時間なども詳細に書かれている事が望ましいです。これは、一人より、仲間と作った方がいいでしょう。
自分の身を守るための自分のメモ、というのはおかしいようですが、でっち上げやねつ造の証拠でない限りは、有効的です。
通勤記録になるパスネットや、会社の電話から、自宅、奥さんや家族の携帯にかけた「帰るコール」の着信履歴も証拠になります。退社するとき、自宅あてにメールを入れておくという手もあります。
残業請求の証拠になり得る物が分かっただけでも、日々の意識が変わってきますね。家で待っている家族から、「何時に帰るの?」のメールを出して帰宅時間の記録を残すなど、証拠集めは家族の協力によっても出来ますよ。
「時間外労働の限度に関する基準」が改正され、労使当事者は限度時間を 超える時間外労働に対する割増賃金率を引上げる努力をするように表記されています。
月60時間を超える法定時間外労働に対して、使用者は50%以上の率で
計算した割増賃金を支払わなければなりません。
引上げ分の割増賃金の代わりに有給の休暇を付与する制度(代替休暇)を 設けることができます。
労使協定により年次有給休暇を時間単位で付与することができるようになります。